2020 年は長期に渡って無観客競馬が開催されました。
まだ人数制限されている状況ですが、2021 年は当たり前に入場できる日が来るのでしょうか。
さて、観客がいない(少ない)なら、気性的な問題を抱えている馬でも力を発揮できると考えて、「馬法の方程式で儲けてみよう」という企画を試してみました。
バイオリズムの高い馬を狙って失敗
突然の企画だったので、その当時ハマっていたバイオリズムの研究の成果を確認しようと、「バイオリズムの高い馬」を狙って複勝勝負したのですが、これが完全に裏目に出てしまいました。
連敗することは想定の範囲内でしたが、連敗数的にはこんな感じのイメージだったんですけどねぇ。
・1レース目で的中(20%)
・2レース目で的中(30%)
・3レース目で的中(30%)
・4レース目で的中(10%)
・5レース目以降で的中(10%)
複勝率は 40% くらいでしたが、この的中率では連敗のリスクが高かったですね・・・・。
3連敗する確率:21.6%
5連敗する確率:7.8%
7連敗する確率:2.8%
10連敗する確率:0.6%
今回はこの反省を踏まえて、的中率の高い 1 点買いのケースを考えていきます。
1番人気馬の複勝
1 点買いの馬券の中では一番確率の高い馬券。
ベタ買いの場合、回収率を考えると 100% を超すのはなかなか難しいですが、「馬法の方程式」を実践するなら一番現実的な馬券になります。
ただしオッズが低いので、連敗中じゃなくても投資金額がそこそこ膨らみます。
実際にシミュレーションしてみましょう。
例えば最初のレースでハズれて 1000 円のマイナスだった場合、次のレースで複勝 1.5 倍の馬にはいくらつぎ込めばいいでしょうか?
答えは 3200 円となります。的中すれば 4800 円の払い戻しなのでプラス 600 円ですね。
やはりオッズが低いと、リスクが減る分、プラスになる額も少なくなってしまいます。
また投資金額が大きい分、連敗が続いた時の精神的ダメージが大きくなる可能性も・・・。
投資金額は下記のサイトで簡単に算出できます。
ちなみに、1 番人気の複勝的中率は平均で 64.2% なのでそこまで高いわけではありません。
(2016年から2020年までの5年間を対象)
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
全 | 32.7% | 64.2% | 77% | 83% | 5648 – 3213 – 2234 – 6176 / 17271 |
また、芝とダートでは的中率にほとんど差はありませんでした。
馬場 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
芝 | 33.1% | 63.9% | 79% | 82% | 2771 – 1526 – 1048 – 3017 / 8362 |
ダート | 32.1% | 64.5% | 76% | 83% | 2655 – 1575 – 1110 – 2937 / 8277 |
1番人気が複勝に絡む確率の高い競馬場
ただ、的中率を上げるには 2 番人気以下に手を出すわけにはいきません。
今回はあくまでも的中率を高めていくことが目標です。
「馬法の方程式」では的中さえすればプラスで終われるので、極限まで的中率を高めていきましょう。
では、人気馬が力を発揮しやすい競馬場が存在するのか調べてみましょうか。
以下は 2016 年から 2020 年の 5 年間の 1 番人気の競馬場別成績です。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
札幌 | 33.7% | 64.5% | 77% | 81% | 251 – 131 – 98 – 264 / 744 |
函館 | 33.1% | 66.5% | 78% | 85% | 238 – 137 – 104 – 241 / 720 |
福島 | 27.7% | 59.2% | 71% | 80% | 332 – 221 – 157 – 490 / 1200 |
新潟 | 32.2% | 63.8% | 82% | 85% | 502 – 286 – 207 – 565 / 1560 |
東京 | 35.3% | 65.9% | 82% | 84% | 950 – 463 – 362 – 917 / 2692 |
中山 | 34.5% | 64.5% | 81% | 83% | 856 – 446 – 299 – 882 / 2483 |
中京 | 31.8% | 62.9% | 77% | 83% | 484 – 301 – 173 – 566 / 1524 |
京都 | 31.2% | 65.1% | 71% | 82% | 801 – 517 – 353 – 897 / 2568 |
阪神 | 34.4% | 66.0% | 78% | 83% | 887 – 482 – 334 – 877 / 2580 |
小倉 | 28.9% | 60.3% | 72% | 80% | 347 – 229 – 147 – 477 / 1200 |
中山はそこまでではないとしても、やはり小回りコースにおいては 1 番人気馬の信頼度がガクンと減りますね。
福島と小倉は少し避けたくなりますね。
札幌と函館の複勝率が高いのは、他の競馬場に比べて母数が少ないことが関係しているかもしれません。もしくは、夏競馬の特殊な傾向と言ったものでしょうか。
よって若干ではありますが、やはり「東京」「阪神」「京都」が力を発揮しやすい競馬場と言えそうです。
これは同じ「阪神」や「京都」でも、「内回り」と「外回り」を比較しただけで説得力が増します。
やはり、紛れが少ない方が 1 番人気の馬のチャンスが増えるのです。逆に穴をねらうならローカルや内回りコースですね。
コース | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
新潟芝内 | 30.8% | 62.5% | 83% | 86% | 96 – 62 – 37 – 117 / 312 |
新潟芝外 | 35.1% | 65.4% | 86% | 86% | 125 – 59 – 49 – 123 / 356 |
京都芝内 | 28.3% | 64.2% | 64% | 81% | 162 – 125 – 80 – 205 / 572 |
京都芝外 | 35.0% | 66.1% | 80% | 82% | 218 – 125 – 69 – 211 / 623 |
阪神芝内 | 32.4% | 65.2% | 75% | 80% | 187 – 105 – 84 – 201 / 577 |
阪神芝外 | 37.1% | 66.2% | 83% | 81% | 218 – 99 – 72 – 199 / 588 |
1番人気が複勝に絡む確率の高い距離
ただ競馬場を限定してしまうと、夏競馬の時期に馬券を購入できる競馬場がなくなってしまうかもしれません。
トータルの収支だけを考えれば、無駄な馬券を買う必要はないのですが、やはり毎週競馬で勝ちたいって思いますよね?
では、「短距離」と「長距離」でどちらの方が人気が反映されやすいのか見てみましょう。
距離 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
1000m~1300m | 31.4% | 62.6% | 79% | 83% | 1274 – 717 – 550 – 1521 / 4062 |
1400m~1600m | 32.9% | 63.9% | 78% | 83% | 1477 – 831 – 561 – 1619 / 4488 |
1700m~2000m | 32.9% | 65.3% | 75% | 82% | 2252 – 1326 – 894 – 2380 / 6852 |
2100m~2400m | 33.1% | 64.8% | 77% | 81% | 316 – 185 – 118 – 336 / 955 |
2500m~ | 37.9% | 65.2% | 96% | 89% | 107 – 42 – 35 – 98 / 282 |
細かく距離別でみると母数に差が出るので、上記のレンジで分けてみました。
結果、短距離よりは長距離の方が 1 番人気の信頼は高そうです。
短距離の場合、ジョッキーのちょとしたミスが命取りですからね。逆に長距離だと力がある馬なら挽回も可能です。
意外な枠順データ
もう少しインパクトのあるデータが欲しいなっと思っていたところ、枠順に意外な法則がありました。
芝なら内枠、ダートなら外枠というイメージがありませんでした?
まずは全体成績を見てみてください。
枠 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
1枠 | 31.4% | 62.7% | 73% | 81% | 513 – 283 – 228 – 608 / 1632 |
2枠 | 30.6% | 61.5% | 72% | 79% | 578 – 349 – 232 – 727 / 1886 |
3枠 | 32.5% | 63.5% | 78% | 82% | 659 – 368 – 259 – 739 / 2025 |
4枠 | 32.3% | 63.4% | 78% | 82% | 702 – 388 – 287 – 795 / 2172 |
5枠 | 33.7% | 65.3% | 80% | 84% | 766 – 423 – 294 – 787 / 2270 |
6枠 | 33.8% | 66.2% | 79% | 84% | 773 – 450 – 292 – 775 / 2290 |
7枠 | 32.7% | 66.2% | 78% | 85% | 811 – 503 – 327 – 839 / 2480 |
8枠 | 33.6% | 64.0% | 80% | 82% | 846 – 449 – 315 – 906 / 2516 |
意外なことに、外枠の複勝率の方が好成績なのです。
ダートの成績が引っ張っているのかな?っと思い、芝だけに限定してみるとこんな感じ。
枠 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
1枠 | 33.3% | 64.0% | 79% | 82% | 270 – 138 – 110 – 292 / 810 |
2枠 | 31.1% | 60.9% | 73% | 79% | 280 – 159 – 110 – 352 / 901 |
3枠 | 33.7% | 62.3% | 82% | 80% | 323 – 162 – 112 – 362 / 959 |
4枠 | 32.9% | 63.9% | 80% | 83% | 345 – 184 – 141 – 378 / 1048 |
5枠 | 34.6% | 66.8% | 82% | 86% | 368 – 207 – 136 – 354 / 1065 |
6枠 | 33.6% | 66.1% | 81% | 85% | 366 – 222 – 132 – 369 / 1089 |
7枠 | 32.5% | 64.7% | 77% | 83% | 406 – 243 – 159 – 441 / 1249 |
8枠 | 33.3% | 62.2% | 79% | 80% | 413 – 211 – 148 – 469 / 1241 |
大外枠は少し妙味が薄れますが、7 枠までの外目の枠の方が複勝率が高いです。
ダートだとどうなるでしょうか。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
1枠 | 29.9% | 61.8% | 68% | 81% | 232 – 136 – 112 – 297 / 777 |
2枠 | 29.6% | 61.5% | 70% | 79% | 276 – 180 – 117 – 359 / 932 |
3枠 | 31.7% | 64.3% | 76% | 83% | 312 – 185 – 136 – 352 / 985 |
4枠 | 31.7% | 62.5% | 76% | 81% | 328 – 191 – 129 – 388 / 1036 |
5枠 | 32.7% | 64.1% | 77% | 83% | 367 – 203 – 149 – 403 / 1122 |
6枠 | 33.3% | 66.1% | 77% | 84% | 370 – 214 – 150 – 377 / 1111 |
7枠 | 32.7% | 68.0% | 78% | 88% | 370 – 240 – 160 – 362 / 1132 |
8枠 | 33.8% | 66.2% | 80% | 85% | 400 – 226 – 157 – 399 / 1182 |
こちらも 5 枠より外の枠の方が有利という結果が出ています。ダートは想像通りでしたね。
確率だけを考えれば、1 番人気の複勝は外枠を狙いたいですね。
芝の成績も外寄りなのは、内で包まれるリスクよりも外枠の方が競馬がしやすいということでしょう。
もちろん、他の馬よりも力があってこその数字ですが。
残念ながら人気馬が外枠に固まるケースは多くないと思いますので、メビウスの方程式に生かすのは難しそうです。

クラス別の成績
もう 1 つだけ何かファクターがないかと調べていたら、クラス別の成績に特徴がありました。
母数が少ないクラスもあるので、すべての成績を鵜呑みにすることはできませんが、「未勝利戦」だけは 1 番人気の複勝率が抜けています。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 | 着度数 |
---|---|---|---|---|---|
新馬 | 35.8% | 66.0% | 80% | 83% | 522 – 270 – 171 – 496 / 1459 |
未勝利 | 34.6% | 68.1% | 78% | 85% | 2133 – 1224 – 836 – 1966 / 6159 |
1勝 | 30.5% | 61.7% | 75% | 82% | 1549 – 907 – 677 – 1947 / 5080 |
2勝 | 30.8% | 61.7% | 77% | 82% | 678 – 404 – 277 – 844 / 2203 |
3勝 | 30.6% | 59.9% | 80% | 80% | 284 – 157 – 115 – 372 / 928 |
OPEN非L | 33.5% | 60.7% | 80% | 78% | 210 – 111 – 59 – 246 / 626 |
OPEN(L) | 28.8% | 61.6% | 77% | 85% | 36 – 22 – 19 – 48 / 125 |
G3 | 29.8% | 57.2% | 80% | 77% | 110 – 63 – 38 – 158 / 369 |
G2 | 37.2% | 68.6% | 80% | 87% | 71 – 35 – 25 – 60 / 191 |
G1 | 42.0% | 70.2% | 95% | 92% | 55 – 20 – 17 – 39 / 131 |
これは、芝・ダートを別で見た場合も同じ結果です。
新馬戦も成績が良く見えますが、ダートの複勝率は 62.1% まで下がるので注意が必要です。芝は 67.8% と差が出ています。
あと、前走データからは特徴のあるデータは見つかりませんでした。
純粋に、前走で着順(着差)が勝ちに近ければ近いほど、今走の成績も良くなります。人気も同じです。
まとめ
1 番人気の複勝について、より的中率を高めるためのデータ分析を行ってみました。
簡単にまとめると以下の通りです。
・中央場所(東京、阪神、京都、中山)の方が好成績
・内回りより外回りの方が好成績
・短距離より中距離の方が好成績
・外枠の方が好成績
データを細分化しすぎると母数が少なくなって信頼度が落ちるので、このくらいの粒度でファクターの数を増やしていき、少しでも的中率が高くなる条件を確立していきましょう。
また、この逆を生かせば 1 番人気が馬券に絡む確率が低いポイントも判明しそうですね。
それがわかれば、1 番人気を頭(1着)から外す理論を最適化することができます。

また、勝率が高い順にコースを並べたデータも作成してみましたので、こちらも参考にしてください。

回収率重視の競馬予想が加速する中、的中すれば確実に儲かるように資金配分する馬券にも注目が集まっています。
当日買いの人にオススメしたいのが、以下の 2 つの馬券術。
・的中率 70% の単勝馬券
・3 連複を中心とした投資馬券
どちらも高い的中率のゾーンを狙う馬券術のため、レースの締め切り 5 分前くらいまで時間を使える人に適しています。